銘酒「七賢」を醸す山梨銘醸は、寛延3年(1750年)創業の歴史のある蔵元。その300年の歴史に新しいページを加えはじめたのが、北原対馬、亮庫さんのご兄弟。
2016年2月17日、十四番目の月 に七賢の酒造りの責任者である北原亮庫さんをお招きし、七賢の味わい各種に合わせて十四番の月料理長・小林健児が調理したコース料理とともに七賢を味わいました。

出品酒は以下の通り。
・七賢 スパークリング 山の霞
・七賢 純米酒 風凛美山を冷やして
・七賢 同上をお燗をして
・七賢 鑑評会出品酒大吟醸 2015年金賞受賞酒
・七賢 純米吟醸 天鵞絨(びろーど)の味

瓶内二次発酵のスパークリング酒はとても興味をひかれたお客様が多く、亮庫さんも説明や解説に大忙し。酵母が造りだしたキメの細かい泡はとてもエレガントで、味わいはとても爽やかで軽快。レモンやグレープフルーツを思わせるような爽やかさがあります(しかし酸度は大変低い)。
スパークリングとお客様
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七賢は以前から大変名前の知られた山梨の銘酒です。その伝統の酒質を進化させるとともに世界へのマーケティングにも積極的に取り組むというようにとても意欲的な対馬さん亮庫さん。実際お二人がこれだと信ずる「新・七賢」の味わいは明らかに数年前の味わいとは違って花や南国フルーツのような華やかな香りが程よくあり、しっかりとしたボディのクリーンな甘みを持つ純米大吟醸、きれいで軽快な純米酒、そして新発売の瓶内二次発酵のスパークリングとして市場にリリースされています。

そしてお料理は以下の通り。
・鯛と雲丹の炙りコンソメヨーグルト仕立て
・公魚南蛮酢、あん肝酒蒸し、金柑蜜煮、信玄豚串、うずらスモーク
・風呂吹き大根 チーズ味噌 白子のせ
・甘鯛とろろ蒸し 春の野菜添え
・和牛肉のフォー

風呂吹き大根白子載せ

あくまで日本料理をベースにし、日本料理を食べなれたお客様にも楽しんでもらえる程度の効果を加えて提供されたコース料理は種類や温度が変わって提供される七賢各種に柔軟に寄り添い、時に少し個性を主張してお客様の感嘆の声が多く聞かれました。

全国新酒鑑評会で金賞を受賞した特別な大吟醸も北原さんのご厚意で購入させて頂きました。これを体験したお客様は非常に少ないはず。北原さんの酒造チームの力はこれで磨かれすべての製品に受け継がれて行きます。

純米吟醸 天鵞絨の味をお燗にしてあたたかいスープのフォーとともに楽しめば、体も心もあたたまりゆったりとした満足感と余韻に包まれとても幸せな気持ちにあふれました。

造り手の話を直接聞きながらその人のお酒と美味しい料理を楽しむというのは何度体験しても贅沢な時間でした。北原亮庫さんのお酒がどこまで磨かれ成長するのかがとても楽しみです。また七賢の会に来ていただき、たくさんの興味深いお話を聞きたいと思いました。

最後になりましたが、ご参加いただきましたお客様、そして七賢の山梨銘醸常務兼杜氏・北原亮庫さんに心から感謝申し上げます。

全員で!

(依田浩毅)