世界的なワイングラスメーカーのRIEDEL(リーデル)社が、ついに純米酒グラスの開発に乗り出しました。
RIEDEL社は2000年には大吟醸酒用のグラスを発売し話題になりましたが、今回は満を持しての「純米酒」用のグラスです。大吟醸グラスは繊細な香りと味(当時は)の大吟醸酒を表現するグラスとして香りを集め甘みを凝縮し、酸やその他の味の要素はあまり感じさせずにすっきりと奇麗に飲ませるグラスとして生まれたグラスです。それから20年近く経ち醸造の技術や新しい酵母の開発、そして嗜好の変化などがあり、同じ大吟醸でもグラスに求められる機能は変わってきたと思います。そんな今日、日本酒の古くて新しい今日のスタンダードになった純米酒を表現するグラスの開発に乗り出したということは大変喜ばしく思います。世界に認められ世界中に流通網を持つRIEDEL社なら、日本酒の美味しさを伝える大変頼もしいパートナーとなってくれると確信するからです。
実はこの純米酒グラスは以前にも企画があったものの諸事情で頓挫していました。しかし今回は必ず製品化にまで漕ぎつけるとの強い経営者の意志のもとに動いているとのことです。本日当店を訪ねてきてくださったのは以前十四番目の月でリーデルワイングラスセミナーの講師を務めてくださったリーデル・ジャパンのリーデル・グラスエデュケイター、庄司大輔さん。
庄司さん「長年かけてこの辺りが良いのではないかというところまで来てはいるんです」。「今回は現在当社の代表であるゲオルグはもちろんですが彼の息子マキシミリアンも大変熱が入っているのです。そこで今度こそ形にしたいと思い純米酒の蔵元や純米酒のプロにご協力を仰いでいるのです」。
持参してくださったグラスはまだ候補の段階のプロトタイプの為掲載が出来ないため写真にはモザイクをかけてありますが、年内にはこれだという形にこぎつけたいとのことです。とても楽しみです。
このグラスで「純米酒」が世界共通の言葉になり日本酒が世界中で愛される日を想像しながらテイスティングとコメントをさせてもらいました。ほんの少しでもこの純米酒グラスに関われることを大変誇りに思います。このグラスについての続報は今後もしてまいりますので皆様におかれましても楽しみにしていただけますようお願い申し上げます。
RIEDEL 純米酒グラスのお話でした。