最近は講演のご依頼をよく頂戴いたします。
本当にありがたいことです。なかなかない事なので普段考えていることに裏付けするための資料作りや勉強は、とりもなおさず自分の知識や大切な経験となっていきます。今回は山梨県すし商生活衛生同業組合の理事会にてお話をさせて頂きました。

【参考】全国すし商生活衛生同業組合

鮨店は回転鮨や新業態の寿司店が登場してくる中で苦戦をしていると聞きます。100年まったく何も変わらない業種というものはないと思いますので、伝統を重んじる鮨業界であっても変化が訪れます。酒販業界も大きな変化を体験いたしました。守るべきところは守り、新しくしていく事は積極的に取り入れる。そういう判断はなかなか難しいと思いますが、待ったなしでそのタイミングは迫ってきます。

現在の清酒の課税移出量(販売量と考えてください)は昭和45年の67%減となっています。減ったほとんどが普通酒と言われるものです。経済的背景や食の変化で、安く造ればたくさん売れた酒が飲まれなくなったことが考えられます。しかもかなり激しく飲まれないという現実。その種類のお酒だけをお品書きに載せているお店が未だに多いことに驚きます。

「修業先がこれ(大手の普通酒)一本だったから」

「酒は二級が旨いから、これでいい」
*級別制度は平成4年で廃止されていますが、いまだに言われることに驚きます

この言葉がいまだに和食の現場では多く聞かれるのです。普段営業の仕事をしていると、昭和からこんなに世の中は変わってしまっているのに、飲まれなくなった酒だけしか提供していないのに、「売れない」と言う店主に出会うことがあります。どう説明すれば良いかわからず言葉が詰まることも。そんな中で山梨県鮨商衛生組合理事会でお話する機会を得ました。良い機会と思い一生懸命話させて頂きました。予定の時間を大幅にオーバーしたにもかかわらず最後まで私の顔を見て熱心に聞いてくださいました。ありがたかったです。

2018年3月に開催される、すし商生活衛生同業組合の関東地区大会で講演をしてくださいと山田理事長から既にお申し出を頂戴しました。とても光栄です。一生懸命やらせて頂こうと思っています。良いお酒や食のことを少しでも広く伝えていく事が、私たち酒販店の仕事だと考えています。