まだ私が子供の昭和の頃、依田酒店にはオレンジ色をしたオリジナルの包装紙がありました。
お中元やお歳暮の頃になると朝から夜遅くまで両親がその包装紙でたくさんの贈答品を包装していたことを今も良く覚えています。
当時は缶詰を三個縦に並べて300個包んだり、ビール券を3枚入れた封筒を500セットとか、とにかくたくさんの包装をそのオレンジ色をした包装紙で包んでいました。瓶ビールの12本入れの箱に掛けたりもして店内や倉庫中が生き生きと明るいオレンジ色でいっぱいでした。
しかしそんな昭和の包装紙を若い私はなんだかダサイなと感じていて、ちょうど会社にした頃に欠品と同時に市販品に切り替えてしまいました。
それから20年以上経ち、依田酒店オリジナル包装紙を復活させることにしました。店から送り出すお酒たちをきれいに飾ってやりたい、責任を持って送り出したい、そんな気持ちがここのところずっと高まっていたからです。
私の両親は長年使い続けた思い入れのある包装紙を私が止めた時、きっと寂しい思いをしたと思います。自分で作ってみて初めてわかりました。包装紙は子供に着せる服のように、想いがこもる大切なものでした。
親心子知らず。包装紙からも学びました。そしてこれからは気持ち良くうちの子供達を送り出せます。
これからも私共のかわいい子供たちを、どうぞ宜しくお願いいたします。
依田浩毅