近年大変注目を浴びている栃木の銘酒「仙禽」が、ついに依田酒店でも取り扱えることになり入荷してまいりました。
せんきんwebサイト http://senkin.co.jp/

日本酒特集でよく目にしていたため都内の飲食店で置いてあるのを見つけると注文していました。すっきりとスマートな味わいが印象的で、ひと口で強い味が襲ってくるいわゆる”高インパクトなお酒”ではなく、それがかえってとても好印象でした。それから今年の一月ごろ、先輩酒販店にあるのを見つけて購入させてもらい会社に送って社員とテイスティングをしました。結果みなすばらしい味のバランスに感動し、こんなお酒を当店のお客様にお届けできたらいいなと全員が思いました。しかし接点が全然ないまま三ヶ月を過ごしたある日、奇跡が起きます。その詳細はここでは書けませんが、仙禽を醸しているせんきん酒造の若き蔵元、薄井兄弟との出会いが実現します。それからスムーズに話が進んで(とても温かく絆が育まれて)いきました。

そしてついに「仙禽」が入荷してまいりました。
モダンシリーズは米のうまみを透明感高く酒に移しとり、なめらかで長い余韻につながげてその味をたいへんわかりやすい形で表現しています。飲みやすい、という言葉はあまり好きではないのですが、それでもこのモダン仙禽は飲みやすく美味しいです。

クラシックシリーズという仙禽もあります。こちらは全量「生酛造り」なのです。これには恐れ入りました。しかも手ごろな価格でたいへん有難い。無垢は「山田錦」ですが「亀の尾」も「雄町」もあります。すべて仙禽の蔵が使う仕込み水の流線上にある田圃で栽培されるお米だけを契約し使用するという「土地の味」にこだわっている蔵なのです。それゆえ「ドメーヌ」という表現を薄井さんは自らの酒に冠しています。

モダンもクラシックもすべて精米は50%です。したがって純米大吟醸とよんで差し支えないスペックを誇ります。それでいて生酛でも「無垢」は税込み3,000円です。ありがとう!と声を大にして言いたくなるというもの。

仙禽には「ナチュール」という名前の、いにしえの醸造法を現代の技術を用いて醸した孤高のお酒があります。地元契約栽培の亀の尾米をほとんど「磨かず(精米90%)」酵母も無添加、乳酸も無添加、すべて自然のままでとても味わい深いお酒になりました。これはぜひ皆様に体験していただきたいです。720ml瓶のみ、2,800円です。

 

写真にYBSラジオのスタジオで撮影されたものがあります。私が番組出演を打診されていた日と薄井専務が依田酒店を確認しに来る日が偶然にも重なり、急遽薄井専務にも私と一緒に番組に出演していただきました。どこまでも”良い偶然”が重なります。すべての人・事に心から感謝しなくてはなりません。

心からお勧めできるすばらしい酒です。末永くご愛飲いただけますよう、心からお願い申し上げます。