製造部長 村田匠さん(写真左)と、四代目杜氏 末永雅信さん(写真右)。
おふたりは福岡で純米酒だけを醸す杜の蔵の造りの要。
もちろん全員が気持ちと力を合わせ醸すのがお酒ですが、このお二人が
羅針盤役の重要なおふたりです。

村田さんは一見おおらかで細かいことをあまり気にしなさそうな性格か
と思いきや、実は繊細でロジカルで几帳面。造りの話になると普段あた
ためていたであろうことを滝のように止まることなく話てくれ、彼の話
は私達酒販店はとても良い勉強になります。

末永さんは「四代目杜氏」という肩書き。そうです、末永家は代々杜の
蔵で杜氏を務めているのです。同じ蔵で四代が杜氏を務めるということ
は全国でもあまり例のないことなのではないでしょうか。先代杜氏であ
る雅信さんのお父さん 末永利幸さんは明るく親しみやすい方で私達に余
計な気遣いをさせないよう良く話す方ですが昔は寡黙だったそう。雅信
さんは言葉数こそ多くはありませんが心の温かさが伝わってくる方です。
いつか三代目杜氏と同じように良く話す人になるのでしょうか(笑)。

現在酒造りは「感覚から数値へ」となっていっています。酒造りのすべ
てが杜氏ひとりの頭の中に仕舞われていた時代ではなくなってきていま
す。そんな時代に遅れぬよう、さらに良い酒質を求めて研究しそれを杜
氏が実践し再び結果を検証する。独楽蔵は熟成酒です。おだやかで優し
くお燗でさらに味わいが開く、一見【時代遅れの酒に見える純米酒】で
すが実は裏でいろんな研究と実践、データ収集が行われているのでした。

頼もしいおふたりです。

 

(依田浩毅)