10月2日、山形県産業技術振興機構様主催の「清酒製造技術」課程で、講師を務めさせて頂きました。

会場は山形県産業技術センター。この会場で講師を務めるのは二回目なのです。
前回は15年前。山形の蔵元で組織されている山形研醸会様のご依頼です。吟醸王国として名高く、全国から称賛される蔵をたくさん擁する山形県に講師として二度も招いていただけたことは、酒屋として大変誇らしく思っております。

講演時間の関係で前日に山形入りをしました。まずは英気を養うため、山形駅から歩いて3分のところにある弊社と15年以上に渡りあたたかいお取引を頂いている「炭火串焼き 串こまち」様を訪問しました。店長の富樫さんへ長年の親交を感謝し、美味しい串焼きとお酒を楽しませていただきました。

そして講演の日。多くの酒造関係者の前で二時間という長時間の講演をいたしました。
タイトルは「地方に生きる酒販店・依田酒店の取組みと視座」とさせて頂きました。
清酒醸造カリキュラムの講演ではありますが、プロに向けて醸造技術を語れるものは私にありません。そこで酒販店としてのこれまでの実際の私の歩みと、これからの日本酒・酒販店の形がどうなっていくかをどのような視座からそれを見ているかをお話をさせていただきました。すべてのものがそれまで考えられなかったものになる可能性があります。常に用意をしていく必要があることを、いろんな例を挙げてお話させていただきました。戸惑われた方も多かったろうなと思っています。
自分への忘備録としてそのキーワードを記しておくことにします。

・産業革命
・オットー・フォン・ビスマルク
・フレデリック・ランチェスターと二次法則
・武田信玄
・西郷隆盛と桐野利秋
・自動運転技術とAI
・レーザー兵器HELIOS
・空飛ぶタクシー
・近い将来の「兵站」
・成長スピードの最適化
・世界のGDP
・戦略家とは(司馬遼太郎)
・視座を高める

酒屋の話ではなくなってます(笑)。しかし単に思いつくままにではなく、普段から私が考えていたり、興味がある事です。
講演の最後にお伝えしたこと、それは私が依田酒店を「大きい会社にしたいのではなく、しなやかで強い会社にしたい」ということをお伝えしました。
依田酒店は現在118年の歴史を刻んでいます。その間、戦争を始め多くの苦難があったはずで、それを乗り越えてきたはずです。先祖の努力があればこそだと思っています。ちいさい田舎の小売店ながら、しなやかに生き残ってきたことを、父や祖父、祖母から聞いてきています。それを大切に、未来に活かしていきたい。講演に際し深くそう思ったからです。

私の話に最後まで真剣に耳を傾けてくださった出席者の皆様、講演のオファーをくださった山形県酒造組合会長の「出羽桜」醸造元・仲野益美社長、山形県産業技術振興機構、そして山形県工業技術センターの皆様に、心より感謝申し上げます。有難い機会を頂き誠にありがとうございました。心より御礼を申し上げ、講演会の報告とさせて頂きます。

依田酒店・依田浩毅

写真①:会場の山形県工業技術センター講堂
写真②:演台の依田浩毅
写真③:山形県の吟醸の父、小関敏彦先生
写真④:講演の準備のため二カ月間いつも持ち歩いたノート
写真⑤:長年お取引を頂いている「串こまち山形駅前店」で