ラジオの生放送に出演させて頂きました。

YBSラジオの生番組、“キックス”の「気になる人にずばり!聞ックス」というコーナーです。
山梨の日本酒のことについて話して欲しいというご依頼でした。
序盤は私自身の事について話しました。
お酒が大嫌いだった私が、今こうしてお酒の美味しさやお酒が取り持ってくれる素晴らしい人たちとのご縁の話をさせてもらっている。そのことの不思議さと有難さを再確認しながら話しました。

中盤にかけてはお酒の歴史に触れながら醸造技術の進歩とそれに伴った味わいの変化、そして人気が出たお酒の味わいの特徴などを話しました。その時代の食の環境により甘さに対する価値観が大きく変わっていくと強く感じておりましたので、昭和6年生まれの父から伝え聞いた話を例に挙げながらお酒の甘さについての価値観の違いを紹介いたしましたところ、放送中から大変参考になったと多くのメッセージを頂戴いたしました。

そして主題である山梨の日本酒の現在の事を話しました。酒の成分は八割が水でできていることから、天然水などで有名な山梨は酒造りには大変良い環境であること、仕込みに適した冷涼な気候であること、そして若い造り手とベテランの人生経験が山梨の蔵元の間で相乗効果を生みだしはじめている事などを話しました。
しかしワインの造り手と清酒の造り手との交流が始まっているという、山梨ならではのとても大切なことを話し忘れたことに今になって気づきました。大失敗です。

 

ここで一部終了。
本来ならここで私のお役目はご免になる予定でした。ところが同番組のMC梶原しげるさんが「とても良い内容なので3時過ぎもこのままお話ししていただけませんか?」と言ってくださり、急遽二部構成となりました。ただ私の話のまとめ方が下手で長引いてしまっただけかも知れません。

スタジオ@キックス

 

二部は主に現在では多くの選択肢が出来たお酒の楽しみ方を話しました。お酒は出荷されたままの状態を楽しむのが良いとされていて、それは間違いありません。なぜならその味わいを決めるのに細心の注意を払っているからです。しかしその一方で、ロックにしたり割水をしたり炭酸水で割ったりという飲まれ方を想定して造りに臨んでいる造り手もいます。世界に日本酒が出荷されるようになった現在では、多様な価値観が生まれ楽しまれ方も変わってきているように感じます。ラボの分析官のような気分でお酒をテイスティグするのも良し。お料理をたくさん食べながら気軽に楽しむのもまた良し。と、そんな話をさせて頂きました。

 

あっという間に二部も終わりの時間になりました。
今回も大変貴重な体験をさせていただき大変有難く思います。
実は十数年前、ここのスタジオで数か月間ですが毎週一回の冠番組を担当させて頂いたことがありました。現在は設備の多くが新しいものになってスタジオは大分雰囲気が違いましたが、その当時放送機器に囲まれガラスの向こうのブースでサインを出していた塩澤未佳子さんは現在番組アシスタントのアナウンサーとなっていたり当時お世話になった山田ゆうこさんがいてくださったりと、とても懐かしい気持ちになりました。
当時のスタジオでの私の写真があります。私は体重108kgの頃です。年齢も若くまだ30台でした。こうしてみるとそれから多くの時間が経ち、多くの物が変わったと感じます。私自身も体重だけでなく忘れることのできない人との出会いや多くの体験の中で変わってきました。近年は特に多くの心構えを教えられ、どれだけ感謝しても足りません。たとえ辛い経験であっても無駄にするのも生かすのもその人自身の考え方次第、思考停止をせず常に考え続けることの大切さを痛感しています。外見や体重は変わっても、お酒が大嫌いだったからこそ持ち得たお酒への愛、人への愛と感謝は一生変わらないと思いますし変えたくありません。体型もあまり変えたくないですね。すごく太ってましたから(笑)。

また機会を頂けるのならば出来る限りお酒の魅力を伝えていきたいと思っています。
最後になりましたが番組を視聴してくださった皆様、励ましのメッセージを送ってくださった皆様、そしてMCの梶原しげるさん、塩澤未佳子さんほかYBSの関係者様に心より感謝申し上げます。
(依田浩毅)